アペニンビル1Fより

【あらすじ(?)】
都内某所に存在するアペニンビル。妖怪、妖精など化生たち向けの役所であるそこの一階には、墓守パトロールなんでもござれな「生活衛生課」が入っていた。
――穏便に、時に大胆に。市井のちょっとふしぎな現象を回収していく半公務員(とアルバイト)のお話。

小話:帰路

 特にその後何をする訳でもなく、綾の課題が終わる時間に合わせて生活衛生課の面々は解散した。翌日は多摩地方への遠出。日頃であればもう少しオフィスで駄弁っているのだが、英気を養うための判断だった。山原の運転する車に澪と澪二は座っている。彼女らの…

多摩川にカッパ?

 二分程度双子が相槌を打ちながら聞いていた世間話が落ち着いてきたのと同時に、山原が声を出した。「ちなみにでお伺いしたいのですが、タシロ様のご住所はどちらでしょうか」「え? ああ、最寄りは拝島だね」「……拝島って何市?」「地図見た感じ昭島あき…

夕方のタレコミ

学校帰りにアルバイト先であるアペニンビルに向かった澪と澪二。 同僚たちに迎えられ、穏やかに時間が過ぎていた事務所に一本の電話があり……?